共働きで実家が遠い。この状況で子育てをしている家庭は、日本中にたくさんあります。子どもが急に熱を出したとき、「誰に頼ればいいんだろう」と途方に暮れた経験がある方も多いのではないでしょうか。
我が家も同じでした。妻の実家は飛行機の距離、私の実家も新幹線で2時間以上かかる場所にあります。子どもが生まれてからしばらくは、「こんなに大変なのに、なんで周りは普通にやっているんだろう」と本気で思っていました。
でも、試行錯誤を重ねていくうちに気づいたことがあります。実家が近い家庭のやり方をそのまま真似しようとするから苦しいのであって、実家が遠い家庭には実家が遠い家庭なりの「仕組み」があるということです。
この記事では、共働きで実家が遠い家庭が抱えるリアルな悩みを整理しながら、実際に役立つ対策や外部サービスの活用方法、夫婦でできる工夫まで具体的にまとめています。「自分たちだけが限界なのかもしれない」と感じている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
結論:共働き×実家遠い×子育ては「仕組み化」で乗り越えられる
先に結論をお伝えします。実家が遠くても、共働きで子育てを続けることは十分に可能です。ただし、「気合い」や「頑張り」だけで乗り越えようとすると、いずれ限界が来ます。
大切なのは、「仕組み化」という考え方です。子どもの体調不良に備えた登録サービス、家事を減らす時短家電、夫婦の役割分担ルール——こうした「仕組み」を一つひとつ整えることで、突発的な出来事にも対応できる体制ができていきます。
実家のサポートがない分、外部サービスや自治体の支援制度をうまく活用することが、共働き・実家遠方家庭の鍵になります。費用がかかるサービスもありますが、夫婦どちらかが仕事を辞めるリスクと比較すれば、外注コストを家計に組み込む選択肢は十分に合理的といえます。
この記事全体を通じて、「うちにも使えそう」と思える選択肢が見つかることを目指して書きました。完璧なロールモデルはありませんが、ヒントになる情報を具体的にお伝えします。
共働きで実家が遠いと子育てが大変な理由
子どもの急な体調不良に対応できる人がいない
子育てをしていて最も困るのが、子どもの急な発熱です。保育園から「お熱が出たので迎えに来てください」と電話がかかってきたとき、実家が近ければ親に頼めますが、遠方だとそのまま職場を抜けるしかありません。
子どもの発熱対応は、実家が遠い共働き家庭にとって最大の課題の一つといえます。特に小さいうちは月1〜2回以上熱を出すこともあり、そのたびに職場を早退・欠勤することへの申し訳なさと、キャリアへの影響が積み重なっていきます。
仕事・家事・育児がすべて夫婦2人にのしかかる
実家が近い家庭では、「週末は子どもを預けて夫婦で買い物」「夕食を作ってもらえる日がある」といった形でサポートを受けられることがあります。しかし遠方の場合、それがすべて夫婦2人だけの手で回すことになります。
炊事・洗濯・掃除・送迎・習い事の付き添い・役所の手続き——こうした日常の業務量は、意識していないと「こなしているつもり」でも疲労が蓄積します。特に夫婦どちらかに負荷が偏ると、関係性にも影響が出てきやすいです。
保育園・学童の送迎が時間的に厳しい
保育園や学童の送迎時間は、多くの場合18時〜19時が上限です。勤務時間やオフィスの場所によっては、「絶対に間に合わない」という状況になることもあります。
実家が近ければ祖父母に迎えを頼めますが、遠方の場合は自分たちで対応するか、外部のサービスに頼るしかありません。送迎サービスがある保育園や学童を選ぶ、またはファミリー・サポートを活用するなど、入園前から対策を考えておくことが重要です。
残業や急な仕事の対応ができない
「今日だけ残業してもらえますか」「出張に行ける人はいませんか」——こういった職場の依頼を受けられないケースが増えるのも、共働き・実家遠方家庭の悩みの一つです。
急に残業が必要になっても、迎えに行ける人が夫婦どちらかしかいない。出張に行くと留守中の子育てがすべてパートナーにかかる。こうした状況が積み重なると、仕事でのキャリア形成に影響が出る場合もあります。
長期休みの子どもの預け先に困る
夏休み・冬休み・春休みは、保育園や学校がなくなるため、子どもの昼間の居場所を確保しなければなりません。学童保育を利用できる場合でも、昼食の準備や延長利用の上限があるケースも少なくありません。
長期休みの対応は、事前に計画しておかないと毎年のように「どうしよう」という状態に陥りやすいです。祖父母が近くにいれば数日預けるという選択肢もありますが、遠方だと単独での滞在が難しいこともあります。
自分が体調不良でも休めない
親が体調を崩したとき、子どもの世話を誰かに頼める環境がないと、熱があっても動かなければならない状況になります。特に「ワンオペになりやすい時期」——パートナーが出張中・残業続きのとき——は、自分が倒れることすら許されないような切迫感を感じることもあります。
これは精神的なダメージも大きく、「休みたくても休めない」「誰かに頼りたくても頼れない」という積み重ねが、燃え尽き状態につながることもあります。
孤独感と精神的な負担が大きくなりやすい
「大変だね」と共感してくれる家族が近くにいない環境は、精神的な孤独感を生みやすいです。仕事も育児も頑張っているのに、誰にも認めてもらえていないような感覚。「もう限界かもしれない」と感じても、相談できる相手がそばにいない。
孤独感は、長期間続くと精神的な健康に影響を与えるリスクがあります。「仕組み」を整えることと同じくらい、「気持ちを吐き出せる場所」を意識的に作ることが大切です。
実家が遠い共働き家庭のリアルな体験談
心も体も限界だったワンオペワーママの話
インターネット上のコミュニティや育児関連の掲示板には、実家が遠い共働き家庭の体験談が多く投稿されています。その中でよく見られるのが、「子どもが小さいうちの数年間が一番しんどかった」という声です。
とあるワーキングマザーの体験談では、子どもが0〜2歳の時期に夫の残業が続き、毎日ほぼワンオペ状態が続いたといいます。保育園の迎え・夕食・お風呂・寝かしつけをすべてこなした後、家事の残りを片付けると深夜になる。翌朝は6時起きで仕事の準備。「自分が何のために働いているのか分からなくなった」という言葉が、多くの方に共感されていました。
夫激務×実家遠方でも続けられた理由
一方で、厳しい環境でも共働きを続けられた家庭には共通点があります。多く見られるのは、「外部サービスを早い段階から躊躇せず使った」という点です。
ベビーシッターや病児保育サービスを最初から「選択肢の一つ」として取り入れ、家事代行も月数回使うことで、夫婦どちらかへの負荷が集中しない状態を作っていました。「お金をかけてでも仕組みを整えたほうが、長期的に見て家族全員にとって良い選択だった」という判断が、継続の鍵になっていることが分かります。
子どもの発熱・トラブル、すべてワンオペで乗り越えた日々
子どもの発熱が続く時期は、仕事を何度も休まなければならず、職場への申し訳なさと、子どもへの罪悪感が重なって精神的に追い詰められやすいです。
「それでも乗り越えられた」と語る方の多くが共通して挙げるのは、「職場の上司・同僚に事前に状況を伝えていた」という点です。急に「子どもの発熱で休みます」と言うよりも、「うちは実家が遠く、サポートがない環境です」と事前に共有しておくことで、理解を得やすくなるケースが多いです。
実家なしで共働き子育てをしている家庭はどのくらいいる?
親の助けなしで子育てする家庭の割合は約49.4%
「実家なしで頑張っているのは自分たちだけ」と感じることもあるかもしれませんが、実際にはそうではありません。内閣府の調査によると、子育てにあたって祖父母などからのサポートを「まったく受けていない」と回答した家庭は約49.4%に上っています。
つまり、約半数の家庭が、祖父母の助けをほとんど受けずに子育てをしているということです。「実家が遠いのは特別なことではなく、今の日本の子育て家庭にとって標準的な状況の一つといえます。
共働き世帯の増加と核家族化が進む背景
1990年代以降、共働き世帯は専業主婦世帯を大きく上回り、現在では共働き家庭が多数派となっています。それと同時に、仕事の都合による転勤・移住が増えたことで、実家から遠い場所で子育てをするケースも増加しています。
| 年代 | 共働き世帯数(万世帯) | 専業主婦世帯数(万世帯) |
|---|---|---|
| 1990年 | 823 | 1114 |
| 2000年 | 942 | 1114 |
| 2010年 | 1082 | 786 |
| 2020年 | 1240 | 571 |
| 2022年 | 1262 | 539 |
(参考:厚生労働省・労働力調査をもとに作成)
この数字が示すように、共働き世帯は年々増加し続けており、2022年時点ではかつての2倍以上の規模になっています。核家族化も同時に進んでいるため、「実家が遠く、夫婦2人だけで育てる」という家庭はこれからも増えていくと予測されます。
社会のしくみや職場の文化が、こうした家庭の増加に必ずしも追いついていない部分もあります。だからこそ、家庭単位で「どう乗り越えるか」を考えておくことが必要になるといえます。
祖父母世代も現役で働いており頼りにくい現実
「実家が近ければ頼れる」とも言い切れない事情もあります。現在の60代は現役で働いている人が多く、孫の面倒を常に見られる状況にあるとは限りません。
祖父母世代の就業率は年々上昇しており、「近くにいても日中は仕事」というケースは珍しくなくなっています。距離の問題に加えて、祖父母自身の生活リズムや健康状態への配慮も必要であり、頼ることへの遠慮が生じる場合も少なくありません。
共働き×実家遠い家庭が実践する「夫婦ルール」と工夫
夫婦をチームとして考え、役割分担を明確にする
「なんとなく気づいた方がやる」という運用は、育児の忙しい時期には機能しません。特にどちらかが忙しい時期に「自分だけがやっている」という感覚が積み重なると、不満やすれ違いにつながります。
役割分担は「固定」ではなく、「週単位・月単位で見直すもの」として話し合う習慣が重要です。たとえば「今週は妻が繁忙期だから、送迎は自分が担当する」という柔軟なチェンジができると、お互いの負荷が偏りにくくなります。我が家では、週末の短い時間に翌週のスケジュールを確認しながら、担当を確認するようにしています。
家族のスケジュール・情報をアプリや共有カレンダーで一元管理する
「保育園のお迎えは今日誰?」「明日の持ち物って何だっけ?」——こうした確認のコミュニケーションを毎日繰り返すのは、地味に時間とエネルギーを消費します。
Googleカレンダーやタイムツリーなどのアプリを使って、家族の予定・行事・持ち物・締め切りをすべて一元管理するだけで、確認の手間が大幅に減ります。アプリへの入力を習慣化することで、「言った・言わなかった」のすれ違いも起きにくくなります。
「完璧な親」を目指すことをやめる
共働きで実家のサポートがない状況で、「手作りの食事を毎日用意する」「部屋を常にきれいに保つ」「習い事を複数こなす」といった理想を同時に追いかけるのは、現実的に難しいです。
「今できる範囲でやる」という基準を夫婦で共有することが、長く続けるための土台になります。冷凍食品、惣菜、食材キットを使って夕食を用意することは「手抜き」ではなく、「限られたリソースの賢い使い方」です。
時短家電(食洗機・ドラム式洗濯機・ロボット掃除機)をフル活用する
時短家電は、実家のサポートがない家庭にとって「もう一人の家族」といえる存在です。
| 家電 | 節約できる時間の目安 | 主なメリット |
|---|---|---|
| 食洗機 | 1日30〜40分 | 食後すぐに子どもに集中できる |
| ドラム式洗濯乾燥機 | 1日30〜60分 | 干す・取り込む作業がほぼ不要 |
| ロボット掃除機 | 1日15〜30分 | 仕事中・外出中に自動で掃除 |
これらを合計すると、1日あたり最大2時間近くの時間を生み出せる可能性があります。最初の購入費用は高く感じるかもしれませんが、時間という資源と精神的な余裕を考えると、十分に元が取れると感じている家庭は多いです。
特に乳幼児期は、子どもと向き合う時間を確保するためにも、家事の自動化を最優先に検討する価値があります。
宅配食サービスや食材宅配で料理の負担を手放す
料理は毎日のことだからこそ、負担になりやすいです。ミールキット(食材と調理手順がセットになった宅配サービス)を使うと、献立を考える手間がなくなり、調理時間も大幅に短縮できます。
完全調理済みの宅配弁当は、疲れた日の夕食として取り入れると、「今日は誰も作らなくていい」という安心感が生まれます。「週に2〜3回は宅配・デリバリー・惣菜でOK」というルールを夫婦で決めておくと、罪悪感なく使いやすくなります。
子どもにできることは自分でやらせる習慣をつける
親が何でもやってあげるより、子どもが自分でできることを増やす方が、長期的には家族全体の負担が減ります。3〜4歳から始められることも多く、洋服の着替え・靴を揃える・食器を運ぶといった小さなことから積み上げていけます。
子どもの自立は、親の余裕を作ると同時に、子ども自身の自信や責任感を育てる機会にもなります。「自分でできた」という達成感が、子どもの成長にとっても良い影響を与えてくれます。
頼れる外部サポートの活用方法
病児・病後児保育サービスを事前に登録しておく
子どもが熱を出したとき、「仕事を休めない日」のために備えておくのが病児保育サービスです。多くの施設は事前登録が必要で、当日だけ申し込もうとしても断られる場合があります。
病児保育施設への事前登録は、子どもが健康なうちにやっておくことが鉄則です。自治体によっては複数の病児保育施設が提供されているため、住んでいる地域の施設を調べておくことをおすすめします。
ファミリー・サポート・センターを活用する
ファミリー・サポート・センターは、地域の育児の助け合いを仲介する自治体の事業です。保育園への送迎や、短時間の預かりを地域の協力会員にお願いできる仕組みになっています。
利用料金は1時間700〜900円程度と、ベビーシッターに比べて低コストで利用できる点が特徴です。ただし対応できる会員数に限りがあるため、早めに登録しておくことが大切です。
ベビーシッターサービスで日常的なサポートを得る
ベビーシッターは「特別なとき」だけのサービスというイメージがあるかもしれませんが、最近は日常的に活用する家庭も増えています。週に数回、保育園のお迎えと夕食まで見てもらうという使い方も可能です。
政府の「ベビーシッター利用支援事業(バウチャー制度)」を活用すると、費用の一部を補助してもらえる場合があります。利用前に自治体や勤務先の福利厚生を確認することをおすすめします。
家事代行サービスで掃除・料理を外注する
家事代行は「高級なサービス」というイメージがありますが、月2回・2時間程度の利用であれば、月1〜2万円程度から始められるサービスもあります。掃除・洗濯たたみ・作り置き料理などを定期的に外注することで、週末の「家事に追われる時間」を子どもとの時間や休息に使えるようになります。
家事代行を「贅沢」ではなく「生活インフラの一部」として捉えることが、無理なく継続するための発想の転換です。
自治体の育児支援事業・子育て支援センターを利用する
多くの自治体には、子育て支援センターや一時保育、育児相談窓口など、無料〜低コストで使える公的サービスが揃っています。
| サービス名 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 子育て支援センター | 親子の遊び場・育児相談 | 無料〜低額 |
| 一時保育(一時預かり) | 保育園への一時的な預かり | 1時間200〜600円程度 |
| ファミリーサポート | 地域住民による送迎・預かり | 1時間700〜900円程度 |
| 病児保育 | 発熱中の子どもの一時預かり | 1日2,000〜3,000円程度 |
| 育児相談・家庭支援 | 保健師・相談員による支援 | 無料 |
これらのサービスは「使って当然」の公的支援です。住んでいる自治体のウェブサイトや、子育て支援の窓口で一度まとめて確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
公的サービスは申請しなければ受けられないものがほとんどです。事前に調べて登録しておくことが、備えの第一歩になります。
働き方の見直しで余裕を生む方法
時短勤務・フレックス制度を積極的に使う
育児休業明けに利用できる時短勤務制度は、子どもが3歳になるまで適用されるケースが多いですが、会社によっては小学校就学前まで延長できる場合もあります。フレックスタイム制度も、保育園の送迎時間に合わせて出退勤を調整できるため、実家のサポートがない家庭にとって非常に有効です。
会社に時短やフレックスの制度があっても「使いにくい雰囲気」を感じている方は、まず人事担当者に制度の詳細を確認することが出発点になります。制度を使うことへの遠慮は、長期的に見ると夫婦どちらかのキャリアや健康を損なうリスクがあります。
テレワーク・リモートワークで通勤時間を削減する
テレワークが可能な職種であれば、通勤時間の削減は子育て家庭にとって大きなメリットです。往復1〜2時間の通勤がなくなることで、夕方の時間的な余裕が生まれ、迎えのタイムリミットへのプレッシャーも和らぎます。
週2〜3日のリモートワークでも、月に換算すると8〜12時間の通勤時間を別の用途に充てられます。会社への交渉が難しい場合は、転居・転職を含めた環境の見直しも視野に入れる価値があります。
転職やフリーランスという働き方の選択肢を検討する
現在の職場の制度や文化が、育児と両立しにくい環境であれば、転職を検討することも選択肢の一つです。近年は子育て中の社員への配慮が整った職場も増えており、転職によって環境が大きく改善されたという声は少なくありません。
フリーランスや業務委託という形で働くことも、時間の柔軟性という点では魅力的です。ただし、収入の安定性や社会保険の加入状況などは転職・独立前にしっかり確認しておく必要があります。
メンタルを守るための心構えと習慣
「助けて」と言える相手を職場・地域・オンラインで作る
実家が遠い環境では、「困っていても頼れる人がいない」という孤立感が生まれやすいです。しかし現代には、地域のつながりだけでなく、SNSやオンラインコミュニティという選択肢もあります。
「誰かに話せる」という安心感は、実際の助けを得ることと同じくらい、精神的な支えになります。同じような状況の親たちが集まるオンラインのコミュニティに参加するだけでも、「自分たちだけではない」という感覚を持てるようになります。
しんどいときは「しんどい」と声に出す習慣をつける
「自分が弱音を吐くと相手に負担をかける」と感じて、黙って我慢し続けるパターンは、共働き・実家遠方の家庭に多く見られます。ただ、ため込みすぎると爆発的なすれ違いや、燃え尽き状態につながりやすいです。
「しんどい」「疲れた」という言葉を日常的に言える関係性を、夫婦間で意識的に作っておくことが大切です。感情を表現することは弱さではなく、お互いの状況を共有するコミュニケーションの一形態といえます。
夫婦間のコミュニケーションを定期的に見直す
育児が忙しくなると、夫婦の会話が「連絡事項のやり取り」だけになってしまうことがあります。お互いの感情や「今困っていること」を話せる時間を、意識的に作ることが重要です。
月に1回でも、「今の状況をどう感じているか」をフラットに話し合う時間を持つだけで、関係性の安定感が変わってきます。特別な話し合いの場を設けるのが難しければ、子どもが寝た後の10〜15分を「夫婦の対話タイム」にするだけでも効果があります。
自分の時間・息抜きを意図的にスケジュールに入れる
「自分の時間を持つなんて贅沢」と感じてしまう方もいますが、親のメンタルの安定は子育ての質に直結します。走り続けるだけでは、いつか動けなくなります。
週に1〜2時間でも、一人でカフェに行く・趣味の時間を持つ・ただぼーっとする、といった「自分だけの時間」をあらかじめスケジュールに入れておくことで、それが「当たり前のルーティン」として定着しやすくなります。自分を整える時間は、家族全体のための投資です。
よくある疑問Q&A
実家が遠いと共働きは本当に無理?
無理ではありません。ただし、「何もしなくても大丈夫」という状況でもありません。この記事でお伝えしたような外部サービスの活用・時短家電・夫婦の役割分担といった「仕組み」を整えることが前提になります。
実際に、実家が遠い状態で共働きを続けている家庭は全国に多数存在しており、工夫次第で乗り越えられる環境が整いつつあります。「無理かどうか」ではなく「どう仕組み化するか」を考えることが、前向きな出発点になります。
時短勤務はキャリアに不利になる?
一部の職場では、時短勤務が昇進・評価に影響するケースも見られます。しかし近年は、育児中の社員のキャリアを継続的に支援する企業も増えており、時短勤務が必ずしもキャリアの終わりを意味するわけではありません。
時短期間中でも、成果を可視化することや、上司との定期的なコミュニケーションを続けることで、評価を維持している方も多くいます。制度の使い方と職場との関係性作りが、キャリアへの影響を左右するといえます。
外注費を家計に組み込む方法は?
外部サービスを「必要なインフラ費」として家計の予算に組み込むことが基本的な考え方です。たとえば、家事代行・病児保育・ベビーシッターを合わせた月の予算をあらかじめ設定し、食費や光熱費と同じ「固定費」として扱うと、使うたびに迷わなくなります。
目安として、月1〜3万円程度の「育児・家事サポート費」という予算枠を設けている家庭もあります。外注費を家計に組み込むことで、「使ってしまった」という罪悪感も感じにくくなります。
夫が非協力的なときはどうすればいい?
パートナーが育児・家事に協力的でない場合、まず「なぜ協力が難しいのか」を話し合うことが出発点になります。「気づいていない」「どうしたらいいか分からない」というケースは少なくなく、具体的な担当を決めることで動きやすくなる場合があります。
感情的に責めるよりも、「今週だけでもこれをやってほしい」という具体的なお願いの形で伝える方が、行動につながりやすいです。それでも状況が変わらない場合は、自治体の家庭相談窓口やカウンセリングを利用することも一つの選択肢です。
まとめ:実家が遠くても共働き子育ては「仕組み」と「頼る力」で乗り越えられる
共働きで実家が遠い環境は、間違いなく大変です。でも、それはあなたや家族の力が足りないのではなく、「サポートなしで二人だけで回そうとしているから」というシンプルな理由であることがほとんどです。
この記事でお伝えしたことを振り返ると、大きく3つのポイントに集約されます。
一つ目は、外部サービスを「使っていい」という許可を自分たちに出すことです。病児保育・ベビーシッター・家事代行・ファミリーサポートは、決して特別なことをしているわけではありません。今の時代において、実家の代わりになる社会資源として存在しているものを使う、それだけのことです。
二つ目は、夫婦をチームとして機能させることです。役割分担・スケジュール共有・定期的なコミュニケーション。この三つを意識して仕組みにしておくだけで、一方への偏りを防ぎやすくなります。完璧な分担は必要ありませんが、お互いの状況が可視化されている状態は必要です。
三つ目は、メンタルを守る習慣を意識的に作ることです。しんどいと言える関係性・自分の時間・話せる場所——これらは「余裕があればやる」ことではなく、「余裕を作るためにやる」ことです。
実家の近い家庭と同じやり方をする必要はありません。実家が遠いなら、遠いなりの仕組みを作る。それが、共働き・実家遠方家庭にとっての「正解」の形です。一つずつ、できるところから取り入れてみてください。

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